総合事業の解説 第3回 最終回

現行サービスの中に地域支援事業というものがあります。介護が必要な状態にならないように予防のための事業、活動などが該当しましたが、この地域支援事業の枠をもっと大きくしたもの。つまり、その中に介護保険サービスが含まれるようになったものが総合事業(地域支援事業)です。

ここで見落としてはならないことは、介護保険サービスがより多くの方に利用できるようになったのではなく、介護保険サービスから総合事業(地域支援事業)への利用を促すしくみとなっております。

根本は、介護給付費の増大(津市では数年前250億円でしたが現在270億円)を抑えることが目的です。それゆえに、介護を必要としない健康な状態を維持できるための支援を手厚くしていくという取り組みです。もちろん、要介護認定を受けられた方も、健康状態が維持できるように支援する取り組みも始まっております。

総合事業の最大の特徴はチェックリストに該当する方、要支援の認定を受けた方が、健康状態、生活状況などを総合的に判断し、より適応した多種のサービスを併用して利用することができます。総合事業の中にある現行型の介護サービスと併用して総合事業の介護サービスを利用した場合、利用者負担費用も介護給付費も少なくなります。ただし、要支援の方が、現行型の介護サービスのみ利用する場合は、費用は従来どおりです。

この制度は、移行期である現在 十分に機能しているのかと問われると都道府県、地域の格差もあり現状はまだまだ国が目指す目標には到達していません。都市部と過疎化が進んだ地域格差もあります。津市では、津市の実態に応じた体制づくりをしなければなりません。

最大の目標は、2025年の険しい山を乗り切るために、総合事業を現実的な効果のある事業へ発展させていかなければいけません。

介護保険制度も見えない部分で変わりつつあります。要介護認定基準、要支援認定基準が年々厳しくなってきています。例えば、要介護1の方が要支援へ、要支援1の方が自立へと認定結果が変わったなどの審査基準も2025年までに大幅に変わるのではないかと思われます。

チェックリスト該当のみでの介護サービス利用では、訪問看護や福祉用具などは利用できません。もちろん、必要性がある時は、いつでも要介護認定を受けることができます。要支援1以上の認定結果がでれば、訪問看護や福祉用具の利用も可能となります。

総合事業を利用するか現行サービスと同様な介護保険サービスを利用するかの境界領域、グレーゾーンの方のフォローアップを注意して観ていかなければ、見落としがあれば大変なことです。必要な介護サービス量が確保できているかどうか専門家は慎重に判断しなければなりません。

もちろんのことですが、総合事業に参入する事業者が十分に増えなければなりません。質の高いサービスとリスク管理ができるようになるためには、市場原理が働かなければいけません。事故、感染予防、虐待などから守るための介護者の専門性も必要です。また、利用側と事業所側との収益のバランスも考えなければ、参入する事業者が増えません。

総合事業の制度が効果的に機能するまでには、長い時間がかかるのではないかと思われます。その期間に、必要な介護サービスを受けられなくなった高齢者の方の支援体制が薄くなっていることが危惧されます。

限られた財源で、2025年を乗り切るには、これからも介護保険制度の改正が続くでしょう。事業者も厳しい状況と対面していかなければなりません。しかし、一方では少子化対策のための教育無償化、幼稚園、保育園の無償化、待機児童0改革、女性の社会進出促進の環境の整備などの未来へ向けた改革も進行中です。

次の世代へ、これから生まれてくる子供たちの世代に闇の展望はありません。明るい豊かな社会を築く希望と期待を決して忘れず、具体的な解決方法を探し続けながら未来へと向かっていきたいと思います。